銅めっき とは
銅めっきは皮膜が柔かく研磨が容易で、工業用厚付け、電鋳、浸炭防止皮膜など使用されています。
銅めっきの特徴
① アルミニウム、鉄系、チタン、樹脂材料などに対応可能
② 熱伝導性が高い
③ 電気伝導性に優れる
④ 光沢性(意匠性)に優れる
⑤ RoHS指令対応が可能
工業用途では、プリント配線板、精密電鋳、印刷ロール、銅箔の製造、浸炭防止などに利用されています。
銅めっきの種類
銅めっきは大きく3種類に分けられます。
・ 硫酸銅
・ シアン化銅
・ ピロリン酸銅
【硫酸銅】
硫酸銅めっきは、比較的安価な原料であることから、他の銅めっきと比べて低コストでめっきが可能です。
延性があり、優れたレベリング作用があることから装飾めっきの下地として広く使用されています。
【シアン化銅】
緻密なめっき層が得られ、均一電着性に優れていることです。
従って、複雑な形状の素材に対するめっきでもきれいに銅を被覆することができます。
また、硫酸銅めっきは難しかった鉄素材や亜鉛ダイカストにも直接めっきすることができます。
硫酸銅めっきよりも素地金属へのめっきによる影響(侵食等)が少ないため、下地めっきとしてもよく利用されます。
【ピロリン酸銅】
ピロリン酸銅めっきは、シアン化銅めっきと比較すると有毒性が低く、かつレベリング性が高いことから工業分野で広く用いられています。
銅めっきの特性
種類 |
硫酸銅 |
シアン化銅 |
ピロリン酸銅 |
pH |
0以下 |
8.5〜9.0 |
11〜13 |
光沢 |
非常に良い |
やや劣る |
良い |
レベリング |
非常に良い |
やや劣る |
良い |
めっき物性 |
延性大 |
抗張力大 |
抗張力大 |
鉄、亜鉛素材への直接めっき |
不可 |
可能 |
不可 |
銅めっきは、下地めっきに多く利用されています。
上記のような種類によって特性が異なるため、素材や必要とする特性に応じて適切なめっきを選択して銅めっきを行うことが大切です。